目次

1.日本の現状1,2,3,4

現在、日本では「健康にすごす」ことがとても重要な問題になっています。厚生労働省の調査によると、医療費が予想を超えるペースで年々増加しており、有訴者率や受診率をみると年齢が上がるに伴い、その割合が増加傾向にあります。また死亡率に着目してみると、がんなどの生活習慣病による死亡率がとても高く、食生活が乱れていることなどが主な原因と考えられています。

現在の日本では、手軽にいろいろなものが食べられるようになりました。お弁当や総菜といったものから、お菓子やお酒などの嗜好飲料まで、自分の好きなものが手に取りやすいです。その影響で、多くの人が自分の好きなものばかり食べるようになったように思います。

では実際に、食生活への関心度に着目していきましょう。

2.栄養バランスへの関心5

ニュースや新聞、情報サイトなど様々なところで「栄養バランスを考えた生活」といった内容を耳にすることが多いと思います。これは、現在の日本の実情を受けて報道をしていると思います。しかし、実際に令和元年に実施した厚生労働省の調査では働き世代の20歳~59歳の男女の多くが食習慣改善に関心があると回答しています。けれども、その多くの方が仕事 (家事・育児等) が忙しくて栄養バランスを考える時間がないと回答しています。この結果から、多くの人は「栄養バランス」に対する関心はとても高いですが、栄養バランスまで意識が回らないといったのが日本の現状だと思います。
多くの人の関心があるが、実施が難しい状況である問題を解決するために、栄養バランスにも関係がある健康食品敷いては栄養バランスを含めた栄養学を考えるのが良いと感じます。

3.栄養学のメリット

3.1 関連性の広さ6

アカデミア視点での栄養学のメリットは「関連性が広い」という点です。
一言に「栄養学」と言ってもビタミンやミネラルといった食物に含まれている「栄養成分」についての学問や、栄養改善や給食管理といった、「栄養を摂取する」ことに趣を置いた学問、スポーツや実際の臨床現場などの「栄養を実際に摂取してどのようなことが起こるのか・体を動かす際にどのような栄養成分が必要になるのか」といった学問など様々なものがあり、これらのことが密接にかかわっています。実際に、「日本栄養学学術連合」といった栄養学の学会が集まった学術連合が存在します。この連合は、
栄養学の質を高め,その成果を利用し,少子超高齢化の日本社会において,人々の健康寿命の延伸および生活の質の向上に寄与することを目的として設立された連合で、15もの多岐にわたる分野の学術団体が所属しています。この栄養学の連合1例だけ見ても多岐にわたる学術団体が存在し、協力しあっています。
また栄養というものは、人の生体にも直接かかわる物になるので、医療分野にも深くかかわりがあります。その為、横の広がりがとても広いというのは、アプローチのやり方や方法が多く存在するといった大きな利点だと考えられます。

3.2 需要の高さ1

企業寄りの視点でのメリットとしては、「常に需要がある」ということです。厚生労働省の調査では、働き世代の20歳~59歳の男女の多くが「栄養バランスを考えて生活したいが、仕事などで時間がなくそこまで意識が回らない」といった人が多いのが現状です。これはどのような状況かと言うと、「自分に不足している栄養を補ってくれて、錠剤みたいな物で手軽に摂取できる食品があれば利用したい」と言っているのと同じようなものだと考えられます。その為、サプリメントや栄養機能食品などの自分に不足した栄養を補ってくれる食品または、お菓子や軽食でしっかりとしたエビデンスがあり、機能性表示を許可されている健康の維持増進のサポートする食品はとても需要が高い商品になります。また、これらの食品を利用したいと考えている年齢層は、働き世代の20歳~59歳の男女がメインになりますので、少し金額が高くなったとしても売り上げが見込みやすいというのも多くの企業が栄養学に携わっている要因の一つでもあります。
つまり企業にとっての栄養学とは、国民の健康維持のサポートといった社会貢献ができ、サプリメントなどの食品を販売することによって利益も上げられるといった側面も持つ分野になります。

4.健康食品と栄養学7,8

現在、食品業界はとても多くの企業が参入し、多くの健康食品が存在します。例えば、消費者庁が確認・受理している機能性表示食品の届け出件数については、2022年には5000件を超え届出件数はますます増えていく見込みです。健康食品の市場規模は年々若干ではありますが右肩上がりで上がっています。エビデンスを必要とする機能性表示食品や特定保健用食品に関しては、これからも上がり続ける見込みです。
これまでの内容をふまえて、ここまで多くの企業が参入していれば、新たに参入する隙が無いように感じられますが、実際はそうではありません。栄養学というのはメリットでも紹介したように、とても幅広い分野に係わっています。その為、繋がっているどこかの分野で新しい発見があった場合、かかわっているそれぞれの分野の発展に繋がります。その発展を用いて新商品の開発ができれば、他の健康食品との差別化ができますし何より健康食品業界の発展に繋がり、健康食品業界が発展すれば新たな需要が見られるといった好循環になる可能性があると思います。

5.まとめ

栄養学、敷いては健康食品業界を盛り上げるためには、栄養学の情報収集および情報発信がとても重要になりと思います。自分だけや自社だけで研究するには見方が一方的になり新たな発見が難しくなります。また栄養学は横にとても広い学問になりますので、全然関係ないと思っていた情報が新たな発見につながることも多々あると思います。そのために催しに参加することや、学会等の大きな催しをいきなり行うのは難しいですが、研究会やシンポジウムといった学会より小さい催しを行い、情報発信する場を作り積極的に情報交換を行うことが自社の発展、栄養学、健康食品の発展にとても重要になると思います。

6.オルトメディコの研究会運営授業

オルトメディコでははじめての研究会 (研究会運営事業) を行っております。この事業は早稲田大学の矢澤一良先生の監修のもと、研究会やシンポジウムの企画から運営まで、すべてサポートしております。ご興味がございましたら、お気軽にお問い合せください。

7.脚注